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工藤正市さん [本や映画や音楽や]

新年おめでとうございます。

旧年中はご訪問、いいね、コメントありがとうございます。
こんなへっぽこなブログを読んでいただき
お言葉をいただけるのはとても嬉しいです。
文通相手がいるようで、本当に力になります。

書きたいことはたくさんあったのに、12月は文字通りバタバタと走り回っており
ほっと一息つくと気絶するように寝てしまっていたので
なかなか更新がままなりませんでした。
(いやワールドカップ観戦で寝不足というのもありました)

昨年ハマったものの一つに、工藤正市さんの写真があります。
写真好きな人はご存知なのかもしれませんが、私は全く知りませんでした。

青森『東奥日報』のカメラマンだった方で、娘・加奈子さんが押し入れの
遺品を整理して見つけた大量の写真をインスタグラムで発表したところ、
国内外で大反響となったようで、それが私の目にとまったわけです。

工藤正市さんは1929年に青森県出身、2014年に他界。

「プリントしてあった大量の写真は、当時の貴重な生活資料として
青森県立郷土館に保管してもらうことになりました。
一方、プリントされていないネガフィルムは、そのまま押入れに入れっぱなしに」
(工藤加奈子さん)

昭和、戦後の人々の表情は活気と生命力にあふれていて、
感銘を受けます。
まるで別の種類の生き物のようにさえ見えます。

もちろんその当時の市井の人々、時代の空気、もあるのでしょうが
それを切り取る工藤さんの力も大きいのでしょうね。

私は人を撮るのがとても苦手です。人と向き合うのが苦手ということも
あるでしょう(娘にいわせると陰キャ、ということらしい)。

でもいつかこういう風に人を撮ることができたらいいなぁと思います。

コンビニシリーズ、メルカリについて、
色々書きたいことはたくさんありますがぼちぼち。

2023年もよろしくお願いいたします。
健康で平穏な一年になりますように。


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映画「星の子」 [本や映画や音楽や]

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星の子、という映画をみました。
芦田愛菜ちゃんが、少し前すごく大人なコメントをしたと
話題になったのはこの映画のプロモーションの頃だったと思います。

今村夏子さんの小説が原作ということです。
何も知らずにNetflixでみたのですが、タイムリーな内容。

愛菜ちゃん扮する主人公のちひろは、普通の中学生。
そんなちひろのなんでもない日常・現在と、
赤ちゃんから成長するまでの過去が、入り混じって映画はすすんでいくので
集中してみてないと混乱してきます。

ちひろの両親は、あやしい新興宗教に傾倒しています。
魔法の水の入ったペットボトルを買い、
頭にちょんまげのようにおしぼりを乗せて、
その水をかけ、自らを浄めます。

ちひろは、いわゆるカルト二世です。
しかも、両親がその宗教にハマったきっかけは、
病弱な赤ん坊だった自分。

周囲(伯父とか友達とか先生)にとっては、
あやしい信仰も、ちひろにとっては、
大好きな両親が物心ついたころからやっている
当たり前のことです。

教団の集いにも出向き、その中には
自分と同じカルト2世の友達もいて、
憧れの存在である青年幹部もいます。

ちひろの姉は、両親に不信感を抱き、家出を繰り返し、いつしか
行方知れずになってしまいます。

この魔法の水はかなり高価らしく、
ちひろたちの暮らしは家の中の様子を見る限り、
だんだん狭く貧しくなっています。
修学旅行の費用も、伯父さんに借りているらしい。

教団の信者は多く、バスを借り上げて、
大きなホテルのような自前の施設?に大勢で
出向いて、泊まり込みで集います。

その合宿中、寒い中、森へ出かけて流れ星を探す、
ちひろと両親の3人。


姉は両親と信仰を拒否し、ひとり出ていきます。
伯父はちひろを両親のもとから救い出そうとします。
その前にも両親を説得しようとしましたが失敗に終わります。
幼い頃からの友達はちひろ個人と偏見なく接します。
何も知らない友達は宗教のことを見聞きしひそひそ噂します。
先生ははっきりと嫌悪感を顕わにします。

カルト教団とその2世の姿。

原作は読んでいないのですが、映画は
新興宗教を断罪するでもなく美化するでももちろんなく
ただ淡々と彼らが生きている様を写します。
その様はたぶん「普通」と少しずつずれていくのですが。

私は、大学生の頃、アルバイト帰りに
純朴な感じの同年代の女の子に誘われて
なんだかわからずについていったら、マンションの一室で
自己啓発めいたビデオを見せられました。

そして奥からいかにも頭の切れそうな男子学生が出てきて
あやしいと慌てふためいて逃げ出したのですが、
なにかの教団だったのだとあとで気づきました。
あの頃は無知ですぐホイホイ人を信じていました。
女子学生の顔は今でも覚えているのですが、
とてもいい人そうでした。

芦田愛菜ちゃんは、
数多あるであろう出演のオファーの中、
こんなに地味で話題性に欠ける(というより話題にするのが難しいであろう)
作品を初主演の映画に選ぶなんて、すごいなぁと何かのコメントでみましたが、

確かにそうですね。
読書が好きで聡明な愛菜ちゃんは、
そして、この映画の主人公の

なんとも微妙な立場におかれた
思春期の女の子の役を、とても繊細に演じています。




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ボーダーライン [本や映画や音楽や]

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お正月休みのある日、賑々しいお正月番組の
隙間で「相棒」をやっていたのでなにげなく見ました。

あまり刑事ものは好んで見ないのですが。

刑事ドラマの殺人事件のほとんどは
 男女の愛憎のもつれ、
 家族の財産争い、
 因縁のある復讐劇の三つのうちのどれかだと思っていたら、

そのどれとも違って、
事件の真相がわかった後も救いのない気持ちになるお話でした。

調べてみたら「ボーダーライン」というそのストーリーは、
「相棒」シリーズの中でも伝説の回と呼ばれる有名なものらしい。

(以下ネタバレのあらすじ)。。。。。。。。。
就職氷河期、派遣切り、悪徳雇用者、名義貸し、
家族や恋人の不理解、レンタルコンテナでの寝泊まり、
試食での食いつなぎ。あらゆる現代社会のひずみのような
ものを体験した主人公。
挙句に彼が選んだのは、資格試験の勉強をして得た知識を
つかって「防御創」を自らつけて、ビルから飛び降りる自殺だった。
右京さんはこの自殺を、彼は生きることに絶望して
「社会から殺された」ことを訴えたのでは、と読み解く。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

最近も、「護られなかった者たちへ」という映画があって
これも背景にこういう問題が潜んでいるようです。

また、バス停のベンチで休んでいたホームレス女性が
殺された現実の事件もありました。

私自身、一歩間違えればホームレスになりうると思うので
他人事ではないのですが、

生活保護などの社会保障を受ける者を
「真面目に働け」と蔑む世間の目や、
こういったものを悪用して不正受給する
不真面目な輩もいます。

まっとうに生きようとしていても、不運や失敗に
見舞われて、こういう絶望的な展開になることもある。

本当に正月から、暗ーくなる重いお話でした。
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お笑い [本や映画や音楽や]

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お笑い芸人の
佐久間一行さんにはまっています。

リアルタイムでは知らなかったのですが、
ピン芸人の大きな賞であるR1グランプリを過去に
獲得しており、芸歴も結構長い人です。

最近あまりテレビに出ていなくて、
主に吉本の劇場などで活躍しているようです。

その方、いまちょうどNHKのEテレの趣味どきっの
「道草さんぽ」水曜9時半~に出演中です。
ほんわかとして、優しい笑顔のお兄さんです。

Youtubeでの語り口もなんとものほほ~んとしていて、
でありながら昔のネタをみていると、ちょっとクセのある、
そしてクセになる音ネタなんかが多い。

お笑いは子供たちが幼稚園・小学校で
友達と盛り上がるとのことで
エンタの神様などの番組を
録画しては繰り返し見て爆笑していて、
それからはなんとなく一緒に見ています。

私は笑いの沸点が高いのか、
(若い子はよく笑う人のことを
「笑いのツボが浅い」と表現するらしいです。
私はけっこう深いですね。)
面白いと思うものは少ないのですが、

まぁ好みでいうと
子供たちの影響もありますが、ノンスタイル、
ロッチ、ぺこぱ、など平和な笑いが好きです。

ぺこぱも最近の賞レースで好戦して、
つっこまない、優しい芸風で有名になりました。
(でも一人でやたらとブチギレる
おいでやす小田さんもなんか好きです。)

お笑いの世界も、浮き沈みが激しくて、
流行ったと思ってもすぐいなくなったり、
そうなると生活も大変でしょう。
どんな世界でもそうでしょうが、
登りつめたらすごいのでしょうけれど。

野球やサッカーや熱狂的なサポーターになったり
(津村記久子のディスイズザデイ、という小説を読んで、
J2サポータになりたい!と心から思いました)
歌手やアイドルを追っかけるほど好きになったり
お笑いを見てゲラゲラ腹の底から笑ったり出来る人が
ちょっと羨ましいです。
人生が私よりもずっと楽しそう。


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電車かもしれない [本や映画や音楽や]

たまの「電車かもしれない」を聞いていると、
傍受した娘たちの感想は
長女15歳 「ずっと聴いてると気がおかしくなりそう」
次女12歳「このおじさんは闇を抱えていそう」



このおじさんというのは、知久寿焼さんのことです。
なるほど。若者の率直な意見です。

この「電車かもしれない」は、MVのアニメーションも
ガロっぽくていいですね。
たしかにちょっと病んでいそう。

ローティーンの子供がいると、
こちらもあちらさまの趣味の動向を気にしたりして、
しばし懐メロをやめて
KingGnuや髭男やあいみょんを聴いたりしてました。

YOASOBIの「夜に駆ける」なんかは、
曲調の割にMVがこれに負けずにおどろおどろしい。
「群青」もペーパーアートがかっこいいがちょっと怖い。
なのになぜ、たまの良さがわからないんだ。

私は個人的にKingGnuの「飛行艇」など、いいですね。
MVは20世紀少年っぽいけど。

しかし。一生懸命若者に歩み寄ろうとしている母を横目に
娘たちは人間ですらない、ボカロ(ボーカロイド)の曲がいいと言って
ずっと聴いています。モニョモニョ、よくわからん。

家でテレワークすると自由にBGM聴けるのが楽しいです。
眠気も吹っ飛びます。

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岸本佐知子さん [本や映画や音楽や]

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テレビも書店も健康!健康!健康!

先日、津村記久子さんの作文に関する連載を
紹介しましたが、それが「WEBちくま」という
サイトでした。(私はブログは別として、本などの読み物は
まだまだ紙がほとんどですが)

WEBちくまで、もう一つ、とても面白かったのが
「キシモトさんVS五輪 怒りのデスロード」です。
キシモトさんというのは、翻訳家でエッセイストの岸本佐知子さんのことです。

筑摩書房、おそるべし。
こんなに挑戦的なものをこのタイミングで(7月)
掲載するなんて!(今もまだ読めます)

http://www.webchikuma.jp/articles/-/2465

まぁ、すべての媒体で五輪開催に対するダブルスタンダードが
見え隠れしていましたが、そして、私自身もなんだかんだで
オリ・パラはテレビで楽しみましたが。

ちくま文庫、けっこう好きでした。
書店では割と端の方にひっそりとあるけれど
講談社学術文庫とともに、マイナーで癖のある、
なかなか魅力的なライナップです。

岸本佐知子さんのエッセイ。
図書館でごっそり借りてきていま読んでいます。

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女流作家 [本や映画や音楽や]

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思えば若かりし頃は、
自分も書けるかもしれないという
傲りがあって、妙な対抗心から、
女流作家の本はほとんどといっていいほど
読みませんでした。向田邦子と幸田文くらいか。

それが、年をとって書きたいことも書く能力もないと悟って、
少しづつ読むようになりました。
小川洋子、川上弘美は文体のリズムと
ちょっと薄ら寒いような非現実の感じが好きで
よく読みました。

そしてまたしばらく読まなかったのですが、
ここ最近でまた津村記久子にどハマりしたというわけです。
津村記久子ワールドは、
どちらかというと無気力な感じの主人公の、
ゆるーい日常のモノローグで、
その背後にいじめとかパワハラとか虐待とかが出てきます。
そして、主人公はそれに関わらないでいたいと思っています。でも、
関わらざるを得ない状況になったら、

決してヒーローとしてではないのだけれど
でも溜飲が下がる、というか、胸がすく、というか
人としてまっとうな、関わり方をするのです。
こうありたいな、と感じるような。

WEBちくまで津村さんが作文の書き方を指南するという
連載がありました。 ↓

http://www.webchikuma.jp/articles/-/2477

なるほど、また書けるかしらなどと夢見る私です。

ブログを書くということも、
記録のみならず表現するという行動。
ご興味があったらご覧になってください。


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Freddieさん [本や映画や音楽や]

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先日金曜ロードショーで
「ボヘミアン・ラプソディ」を観賞してから、
来る日も来る日もクイーンを聴いています。

私は洋楽オンチで、これまで、
ビートルズとカーペンターズぐらいしか
判別できず、
聞いたことはある超有名曲でも、
特に興味もなく生きてきました。半世紀も。

それがこの映画を見てYoutubeでQUEENを聴き続けていたら、
なんだかすごく勿体ないことをしてたなあ、
LIVE見たかったなぁ、と後悔。








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「たま」のこと [本や映画や音楽や]

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たま、が最近気になっています。

昔、好きでした。「たま」というバンド。
CDアルバムも何枚も持っています。

80-90年代はあまりテレビを見なかったので、
たまが有名になった「イカ天」という番組は、
見たことがないのです。

でも、ものがなしく、
昔の日本と異国情緒が入り混じったような、
そんな世界観に強く惹かれたのだと思います。
好きな宮沢賢治、ガロ、つげ義春、谷内六郎、澁澤龍彦(?)等に通じる
世界観がひかれる理由かな。

調べてみると、

私は音楽に詳しくないのですが
彼らの音楽性は高く、天才的という評価が多いです。
ただ、4人4様に、個性的すぎるせいか、
キワモノ的な、奇をてらった人たち、という感じで
捉えられることも多いのかと思います。

でも、
オリジナル曲もさることながら、
麦茶をください、というボブディランのカバーも、
ガール、というビートルズのカバーも、
「たま」色でありながらホンモノ、
素晴らしいと思います。

柳原さんが脱退、そして残った
知久さん、石川さん、滝本さん3人も解散したあとも、
個々に音楽活動は続けているようで、
令和の今もライブなどの映像を見聞きすることができます。

年を重ねた「たま」の面々。
私より少し年長なのですが、なんだか
胸がぎゅっとなる感じがします。

彼らの音楽性、歌詞が切ない感じだからかもしれません。

色々見たものをパズルのように繋げていくと、

仲たがいしたわけではない、けれど、
再結成はないだろうなぁ、という
なにか決定的に道が分かれた時の重い思いのようなものが
ちらほらと感じられます。

柳原さんがソロで出した
「ドライブスルーアメリカ」というアルバムも持っているのですが、
「ブルーアイズ」という曲なんかもすごく好きです。
これはあまり「たま」っぽくはない音楽です。

今聴くと、滝本さんや知久さんの
曲調や歌詞のほうが刺さりますが、
実際当時流行った曲は、「さよなら人類」「オゾンのダンス」など
柳原さんのものが多いです。
私は柳原さんのお顔が好きでファンでしたが
今の映像を見ると、過去への確執があるのか
なんだか寂しそうで辛いです。

石川さんが原作の
『「たま」という船に乗っていた』という
漫画が電子版で読むことができます。

あと!ヒガシマルやイナバのCM、
みんなのうたの「おばけのハオハオ」なんかは
知久さんの曲です!


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ラカンパネラ。聴き比べ [本や映画や音楽や]

たまたまYoutubeで出会った動画です。
テレワークのBGMは、安住さんじゃないときは
クラシックがいいような気がします。
眠くならない、激しい曲のほうがいいです。

私はピアノは幼いころ習っていましたが
いやいや、しぶしぶ一日30分練習していたくちです。
クラシック、聴くほうもさほど詳しくもありませんが
美しい音楽には心打たれます。

映画音楽でも、
場面にぴったりの曲が流れていると
セットで鮮烈に心に残ります。
私の中の一番は、仕立て屋の恋、という
フランス映画の中のブラームスです。

この9人の「ラ・カンパネラ」の聴き比べ、
まったく野暮なことを、と最初は感じたし、
同じ曲を9回聴くのも飽きそうだなあ~と思いながら
聴き始めました。すると、まぁ、

それぞれの演奏者の色になっていて、
飽きるどころか、聴き入って(見入って)しまいました。

この曲は、少し前に、
ピアノ未経験の漁師さんがある日思い立って
ゲームで挑戦し、7年かけて弾けるようになったと
テレビやYoutubeでも見ましたが、

いやあすごいです。



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